『ブラックフォーマルを卒業式に着てもいいですか？』というお問い合わせが、毎年このシーズンになるとたくさん寄せられます。

喪服やブラックフォーマルを着回したいけど、そもそも卒業式に着てもいいのか、マナー違反にはならないか・・・不安ですよね。

この記事では、フォーマルマナーの観点も含めながらスーツ選びのポイントやアクセサリーのコーディネート方法などを解説いたします。

卒業式に参列するお母さまが知っておきたい服装マナー

卒業式は、教育課程をすべて修了したこを認定する、『お祝いの式典』です。

また、「学校教育法施行規則によって定められた学校行事」であるため「公式行事」となっています。

そのため、参列する卒業生のお母さま方は、『準礼装』という肌を露出しないジャケットスタイルが好ましいです。

卒業式にブラックフォーマルを着てもいい？

ブラックフォーマルは本来、『礼服』です。

礼服とは、冠婚葬祭に着用する服、公式な場所で着用できる衣服のことを指します。 ブラックフォーマルは、主に葬儀などで着られることを想定されていますが、 そもそも『礼服』であるため、お喜びの場でも着用いただけます。

ただし、そのままブラックフォーマル着ると喪服感が強くなってしまうことがあります。

卒業式は『祝いの式典』なので、喪服感があまり感じられないように、デザイン性のあるブラックフォーマルを選んだり、アクセサリーを足して華やかにするなど、着こなしに配慮することが大切です。

ブラックフォーマルは入学式でも着られるの？

ブラックフォーマルを入学式にお召しいただいても、マナーに反するわけではありません。

一般的に「卒業式」「入学式」ともに「ダークカラーのセレモニースーツの着用」は多いですが、入学式は卒業式と比べるとベージュやピンクなどの明るい色のスーツを着ている人が多くなる傾向があります。

また卒業式はお世話になった先生方に感謝の気持ちをあらわす厳かな式典であるのに対し、入学式はこれから新しい生活をスタートさせる『晴れやかな式典』です。

卒業式よりも華やかな着こなしになるように心がけてみてください。

• もし、ブラックフォーマルを着ようか、悩まれているようでしたら、卒業式・入学式向けに作られている『セレモニースーツ』を選ばれるのが無難です。

ブラックフォーマル セレモニーシーンでの着こなし提案

古いデザインのブラックフォーマルを避ける。

以前は厚みのある素材で作られていたブラックフォーマル。いかにも喪服っぽく見えておりました。

現在の喪服は、以前よりも柔らかく着やすい素材に変化しております。
またデザイン性の幅が広がりベーシックなデザインのものから、着回しが効くデザインのものまで増えております。

この機会に新しいブラックフォーマルの買い直しを検討するのもいいかもしれません。

喪服ではないフォーマルジャケットをコーディネートする。

ツイードジャケットなどを買い足して、喪服のワンピースに合わせる、という方法もあります。 一気に華やかな印象になり、喪服っぽく見られてしまう心配もありません。 ワンピースの襟元のデザインを考慮しながら、ジャケットを選ぶことをおすすめします。

アクセサリーで華やかさをプラスする。

コサージュやネックレス、フォーマルバッグなどを合わせることで、トータルコーディネートが華やぎます。
アクセサリーのコーディネートについては次のセクションで解説しております。

アクセサリーの合わせ方

1.コサージュ、ブローチ

コサージュは『お祝いの気持ち』を表します。

コサージュが苦手な方も、ブラックフォーマルを着用する場合は、お顔が明るくなるためぜひつけていただきたいです。
あまりコサージュが身近ではない方には、ナチュラルなデザインのコサージュやブローチが特におすすめです。

コサージュやブローチのつける位置は、鎖骨当たりの高い位置につけると華やかさがでます。
左右どちらにつけても構いませんが、左胸につける方が多いです。

当日あわてないためにも、前日のうちにジャケットにつけておくと安心です。

2.ネックレス

卒業式のような昼間の装いは、パールのネックレスがお勧めです。
ロングタイプや二連タイプ・控え目なクリスタル使いのネックレスもお付けいただけます。

3.バッグ

バッグ一つで、フォーマル度がアップします。

大きいバッグは、普段使いっぽく見えるため注意が必要です。フォーマルは場面では小ぶりのバッグであるほど『フォーマル度』が増します。

色は、黒でも問題ありませんが、カラーのバッグだとさらに明るさを演出してくれます。
慶弔両用タイプや牛革バッグ・トートバッグなどがお勧めです。

4.ストッキング

ストッキングは肌色が相応しいです。タイツはカジュアルになるので避けましょう。
卒業式のブラックフォーマルはマナーにそって着れば大人女性の品格がでます。

さいごに

タンスに眠っていたブラックフォーマルを卒業式に着ると「しまった！」ということになりかねません。

フォーマルは、マナーにそって着こなしてこそ映える洋服です。
大切なお子さまの成長を愛しむ気持ちを装いに託して、卒業式に参列しましょう。