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更新日: 2024.11.21

家族葬とは?費用や流れ、メリット、参列者についても解説

家族葬とは?費用や流れ、メリット、参列者についても解説

家族葬とは?

家族葬とは、親族や近しい人たちを中心に行われる葬儀のことを指します。家族だけでなく、親しい友人など少人数で行われる場合もあり、参列者をどこまで招待するかには明確な定義はありません。故人と縁のある人であれば、友人や知人など誰でも招待することができます。

一般的な葬儀と同じように、基本的な手順や式の流れは同じですが、少人数ならではの特長があります。例えば、参列者一人一人の思いを反映しやすいということや、ゆっくりと故人を見送ることができる点が挙げられます。思い出話を語り合ったり、故人を偲んだりする時間を持つことができるため、落ち着いた雰囲気でお葬式を行うことができます。

家族葬の割合が増えている理由の一つは、平均寿命が延びたことによる参列者の高齢化です。高齢で亡くなった場合、故人の関係者が参列できない場合があります。
また、引退後は職場との繋がりも薄れ、親族やご近所との付き合いも希薄になっているため、葬儀が簡略化されることがあります。

また、新型コロナウイルスの流行以降、大人数での葬儀を避ける方が増えているため家族葬の割合が増加しています。2022年の調査によると、家族葬が半数以上を占めるようになっています。

 

家族葬にかかる費用はいくら?

「第5回お葬式に関する全国調査(2022年)」を実施した鎌倉新書によると、家族葬の平均費用は99万5,000円で、一方で一般葬の平均費用は150万8,500円です。
これはあくまでも目安であり、家族葬は一般葬よりもおおよそ50万円程度安くなると言えます。

家族葬は参列者を限定し、小規模な斎場や祭壇で行うことができます。また、接待や返礼品にかかる費用も低く抑えられるため、一般葬よりも安価で葬儀を執り行うことができます。
ただし、宗教者に渡すお布施は一般葬と同じであり、10~20万円程度が平均です。
実際の料金は儀会場の広さや参列者の人数によっても異なるため、葬儀社の見積もりに含まれるサービスを確認することが重要です。

 

家族葬のメリット

家族葬は、親族や親しい友人・知人だけで行われる葬儀の形式で、故人とのお別れを大切にします。
参列者が少ないため、故人やご遺族の希望を反映させたり、出棺前に家族だけで過ごしたりすることができ、心の整理をするための時間を確保できます。

また、参列者が少ないことで、参列者の対応に追われることがなく、アットホームな雰囲気でゆっくりとお別れをすることができます。
さらに、飲食代や返礼品費用がかからないため、一般葬よりも費用を抑えることができます。
斎場の規模も小さいため、式場利用料も安くなる傾向があります。

 

家族葬のデメリット

家族葬の場合、葬儀の告知や弔問に訪れる人が限られるため、香典収入が少なくなる傾向があります。
葬儀費用の一部は香典によって賄われることが多く、参列者が少ない場合はその分葬儀費用の持ち出しの割合が増えることもあります。
また、葬儀後に訃報を知った人が故人の自宅へ弔問に訪れるケースもあります。
予期せぬ訪問にあわただしく部屋の片付けをしたり、香典返しを準備するため、思わぬ手間や出費が発生することも考えられます。

一方、地域性や故人もしくはご遺族の地位や立場によっては、家族葬という葬儀の形式を会葬者や親族に受け入れてもらえない場合もあります。
例えば、「故人が粗末に扱われている」と誤解される場合や、「皆でお別れをしたかった」という不満が残る場合があります。
そのため家族葬を選択する場合は、事前に周囲の人たちとのコミュニケーションを大切にし、家族葬の理由や思いを丁寧に伝えることが重要です。

 

家族葬の流れ

ご逝去から火葬後までの家族葬の流れを知っておくと、安心して葬儀を進められます。
一般葬の流れとほぼ同じですが、家族葬では参列者が限られるため、あらかじめ親族をどこまで呼ぶか考えておくことが重要です。

こちらもぜひ参考にしてみてください。

ご逝去〜葬儀社への連絡

医師から死亡の診断を受けたら、まずは葬儀社に連絡する必要があります。
病院によっては、数時間以内に遺体を安置場所へ移動しなければならないこともあります。

遺体の安置には、葬儀場の安置室を利用するのが一般的です。そのため、安置をお願いした葬儀社に葬儀の依頼をすることが多いです。
家族葬を行っている葬儀社には、安置をお願いして連絡するようにしましょう。死後の処置が終わった後、寝台車を手配する必要があります。

お迎え〜ご安置

ご逝去されたら、葬儀社に連絡し、担当者が寝台車でお迎えに来ます。
家族は同乗し、遺体を安置するための葬儀場に向かいます。
遺体の安置が終わったら、故人に線香をあげ、喪主を決定して葬儀の日程や葬儀会場、料金プランの打ち合わせを行います。

葬儀の形式や内容を検討し、必要なサービスやオプションを追加することもできます。日程を仮押さえしたら、菩提寺に連絡して読経をお願いすることが一般的です。

家族葬の打ち合わせ

喪主を決めて、葬儀の日程や会場、料金プランなどの打ち合わせをします。
希望する葬儀の形式や必要なサービス、オプションについても検討しましょう。

そして、日程を仮押さえしたら菩提寺に連絡しましょう。菩提寺での読経が一般的なので、僧侶の予定を確認して日程を確定しましょう。
菩提寺が遠方にある場合は、お坊さん手配サービスを利用することもできます。葬儀の日程に合わせて僧侶を手配してくれるサービスです。

お通夜

家族葬では、一般葬と同じように1日目に通夜、2日目に葬儀・告別式を行います。

<湯灌(ゆかん)の儀、納棺>
通夜が始まる前に、湯灌の儀式が行われます。湯灌とは、遺体にお湯をかけて清め、故人があの世へ旅立つための身支度を整える儀式です。
略式の湯灌の場合、湿らせたタオルやアルコール脱脂綿を使って身体を拭います。湯灌が終わったら、故人に白装束を着せて棺に収めます。

<通夜、通夜振る舞い>
開始時刻の1時間前頃になると、会葬者の受付をして通夜が始まります。通夜は一般的に18時頃から行われることが多いです。

通夜では、僧侶による読経が行われ、その後喪主から順番に焼香が行われます。
喪主が挨拶をして閉式し、その後「通夜ぶるまい」と呼ばれる会食が行われます。
ただし、ごく少人数の家族葬の場合、参列者の受付や喪主の挨拶は省略されることが多いので、状況に応じて必要性を判断しましょう。

葬儀・告別式

通夜の翌日には葬儀・告別式が行われます。火葬の時間によって異なりますが、お昼の12時頃から始まるお葬式が一般的です。
葬儀・告別式は、参列者が着席したところで開式されます。
僧侶による読経が行われた後、喪主、遺族、参列者の順で焼香が行われます。また、友人や知人からの弔電があれば、告別式の最中に読み上げられます。

焼香が終わった後は、故人との最後の時間となります。祭壇から棺を降ろして蓋を開け、「別れ花」と呼ばれるお花を入れて別れを告げます。
別れ花の後に行われるのが「釘打ちの儀」です。棺の四隅に釘を打ち、少し余らせた部分を故人に縁の深い人が2回ほど打ち込む儀式です。釘打ちの儀は、地域によって省略されることもあります。

<出棺>
葬儀が終了したら、棺を会場から運び出し、霊柩車に積み込みます。出棺の際には、喪主が位牌、故人と関係の深い人が遺影を持ちます。

全員が火葬場に同行する場合は、挨拶は省略されることがありますが、一般的には喪主が挨拶をします。
霊柩車を先頭に、車やマイクロバスなどで親族も火葬場に向かいます。また、火葬場での納骨の儀式を行う場合には、僧侶も同行することがあります。

火葬

火葬炉の予約時間に合わせて火葬場に到着します。
納骨の儀式を行い、火葬炉の前で僧侶に読経してもらいます。火葬には約1時間かかるため、控室で静かに待ちましょう。

火葬が終わると、「収骨(お骨上げ)」と呼ばれる儀式を行います。箸で遺骨を拾い上げ、骨壷に納めていくというものです。

<精進落とし>
火葬が終わるタイミングで「精進落とし」と呼ばれる会食を行います。葬儀会場内の食事スペース、またはレストランや飲食店で行うのが一般的です。
ただ参列人数の少ない小規模な家族葬では、改まった会食の場を設けず、解散することもあります。

家族葬の注意点

家族葬を行う時には注意しておきたいことがあります。
ご家族が把握していない友人や知人が故人にいた場合、家族葬を終えたあと、どうしても弔意を表したい、などのように故人を慕う方がご自宅を訪問され、残されたご家族が対応に困ってしまうという場合もございます。
家族葬だから…と知らせる方や参列する方を限定してしまったがために「なぜ、葬儀に参列させてくれなかったのか!」「家族葬を行う前に知らせてほしかった…」など、亡くなったことを周囲に知らせなかったことによるトラブルに繋がってしまう可能性もございます。

葬儀後のことも考慮し、慎重にお知らせをする範囲を検討した上で、家族葬を行うことをおすすめします。

 

■遺族向けの注意点

<参列者の範囲>
家族葬に参列する人々の範囲は一定の決まりはなく、故人の家族や両親、子どもや兄弟の家族が多くを占めます。
ただし、必ずしも全員を招待する必要はなく、特別な事情がない限りは招待することが望ましいです。そうすることで余計なトラブルを避けることができます。

<訃報連絡>
家族葬の場合、訃報連絡は近親者に限定されることが多いです。故人と親しい方でも、参列すべきか迷うためです。
訃報は最低限の人に伝え、葬儀後に「家族葬を行った旨」を挨拶状で伝えます。

また、勤めていた会社にも訃報を知らせる必要があります。職場関係者に対応しやすくするため、「家族葬であること」を伝え、香典や弔電を辞退するよう申し出ることも大切です。

<喪主の挨拶>
家族葬では、場合によっては喪主の挨拶を省略することがあります。喪主の挨拶が必要かどうかは、家族葬の状況や規模に応じて判断されることが一般的です。
近親者でも、故人に対する感謝や参列してくれたことに対するお礼をきちんと伝えることが大切です。事前に考えた内容を2~3分程度でまとめておくと、スムーズに挨拶ができます。

<式場の選び方>
家族葬の場合、お葬式と同様に、ご遺体の安置や納棺などの手続きが必要です。同時に、故人を見送るための場所や時間も慎重に検討する必要があります。
セレモニーホールを選ぶ際には、安置設備があるかどうかなど、様々な点を重視することが重要です。

また、温かみのある家族葬を提供するノウハウを持ち、ご遺族に寄り添った葬儀内容の提案やサービスを提供する葬儀会社を選ぶことが大切です。故人に対するご遺族の想いを葬儀に反映してくれる葬儀会社を選びましょう。

 

 

■参列者向けの注意点

<参列の判断>
家族葬においては、遺族から参列の案内がない場合は、弔問をしないのが一般的です。
訃報の書面に参列を辞退する旨が明記されている場合や、日程や場所が書かれていない場合も同様です。

一方で、葬儀の場所や日程が明記されており、辞退の文面がない場合は、家族葬でも参列することができます。判断に迷う場合は、遺族に確認することで安心できます。

<香典の確認>
家族葬では、香典を渡さないご遺族もいます。
もし訃報連絡に香典辞退の旨が明記されていたら、その意向に従って香典を渡さないようにしましょう。また、供花や供物についても、明記がなければ一般の葬儀と同様に持参してください。

ただし、無難な選択肢としては、家族葬には持参しないことが望ましいとされています。

家族葬の参列マナー

訃報が伝えられ、「家族葬にて執り行います」と記載され、葬儀日程が公開されていない場合があります。
この場合は、親族だけで見送りを行うことが一般的であり、弔問は控えるべきです。友人と一緒に弔問に行くこともあるかもしれませんが、家族葬の場合、ごく限られた故人に近い人たちで見送りを行います。
参列の可否については、ご遺族に確認することをおすすめします。

<服装>
家族葬に参列する場合は、一般葬と同様に、男女ともに光沢のないブラックフォーマルウェアを選び、男性はスーツ、女性はワンピースやアンサンブルを着用することが望ましいです。
女性は露出の多い衣服や派手なアクセサリーやメイクは避け、控えめな装いを心掛けましょう。

喪服には「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3種類があり、一般的には「喪服」と言われるものは準喪服を指します。
男性は黒いスーツ、女性は黒いフォーマルドレスであり、葬儀から3回忌までの期間は全員が準喪服以上の服装を着用するのが一般的です。
略礼服としては、準喪服よりも格下の平服があります。「平服でお越しください」と案内された場合には、略礼服で出席するようにしましょう。
こちらもぜひ参考にしてみてください。

まとめ

家族葬を行う際には、決まりやしきたりにとらわれることなく、大切な方を敬い、心を込めてお送りすることが大切です。 ご夫婦やご家族にはそれぞれの歴史があり、それぞれの人生が異なるように、家族葬も様々な形で行われます。
故人が安心できるようなお葬式を執り行えるように、ご家族でしっかり話し合い決めていきましょう。

 

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この記事を書いた人
TOKYO SOIR編集部

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