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Interview

小学校受験に向き合う親が、
当日までに整えておきたいこと

― 家庭の姿勢・学校への敬意・装いの準備 ―

( コノユメSCHOOL代表 大原英子様へのインタビュー )

コノユメSCHOOL代表 大原英子様

( Introduction )

共働きの家庭にも寄り添い、オンラインと対面を両立したコンテンツや教材を導入する、小学校受験専門幼児教室【コノユメSCHOOL】代表・大原英子さんにお話を伺いました。
15年にわたり、多くのご家庭の受験を支えてきた大原さんに、受験前から入学後の学校生活における最新事情についてお聞きしています。

小学校受験において、親が向き合うべきこと

以前と比べて、学校選びの基準や価値観に変化はありますか?

小学校受験を選択するご家庭の裾野が広がり、以前よりもさまざまな価値観を持つ保護者が受験されるようになりました。
大学までの長い教育環境を見据えて、早稲田実業学校初等部、慶應義塾幼稚舎・横浜初等部、青山学院初等部、学習院初等科などの大学までの一貫校は、トップクラスの人気となっています。
一方で、最近は、中学受験の過熱もあり、敢えて中学受験のサポートに力を入れている小学校を選ばれるご家庭も増えています。
また、「将来は世界で活躍してほしい」という想いを持っている家庭も多く、インターナショナルスクールと私立小学校受験のどちらにするか、迷われるケースも少なくありません。
グローバル教育志向の高まりをうけ、昭和女子大学附属昭和小学校や、サレジアン国際学園小学校などは、近年特に人気が上昇しています。
いずれにしても小学校受験は、「入学して終わり」ではありません。その先の学びや育ちをどうするかまで戦略的に考えて学校を選ばれるご家庭が、年々増えていると感じています。

小学校受験は子どもの受験でありながら、保護者の受験とも言われます。保護者に求められる心構えとは何でしょうか?

まず、第一に「成長を待つ姿勢」がとても大事です。
小学校受験に臨むのは、5〜6歳の幼児です。3歳頃から準備を始める場合、鉛筆も上手に握れない、はさみを上手に使えないというところからのスタートです。当然ですよね。数年前に生まれ、言葉も十分に話せなかった子どもたちですから、初めて取り組むことが多く、できないこともたくさんあります。
それにもかかわらず、保護者はつい「なんでできないのか」「もっとできるはずだ」という期待が強くなりすぎて、子どもを追い詰めてしまうことがあります。幼児は何度もやればできるようになることが多いです。楽しく実践する機会を多くすることで、成長していきますから、成長を待つ姿勢が大事です。

第二に、「子どもと自分は別の人間である」と理解していただきたいと思います。
親は社交的でも、子どもは人前で話すのが苦手、というのもよくあることです。持って生まれた性格は、簡単には変えられません。だからこそ、良いところを見つけて伸ばすことが、何よりも大切です。
そして、「生活の中にこそ子どもの学びがたくさんある」ということに気づいてほしいですね。
最近は小学校受験対策も過熱し、毎日のように幼児教室に通う家庭も増えています。
「習って学ぶ」ことももちろん大事ですが、自分で考える力は失敗からこそ生まれるものだと思います。その小さな失敗は生活の中で経験するものです。たとえば、水を勢いよく出せば、跳ねて服や床がびしょ濡れになる。画用紙に顔を大きく描きすぎると、体を描くスペースがなくなる。──そうした生活の中の小さな失敗から、子どもは多くを学びます。失敗したときに、どうすれば解決できるかを一緒に考える。その姿勢を、大事にしていただきたいと思います。

インタビューに答える大原英子様

情報に振り回されないための判断軸

SNSや口コミサイトなどで情報が得やすくなった一方、かえって迷われる保護者も多いのではないでしょうか。

情報があふれる時代だからこそ、かえって「何が正しいのか分からない」と迷われる保護者が増えています。
SNSは一人の経験を発信していることが多く、その家庭には合っているけれど万人に合うものではない、ということもあります。そもそもどこの誰が発信しているかがわからない情報は、本当に小学校受験をしているかすら怪しいということもあります。暇つぶしに見ているだけ、と思いつつ不安になったり気持ちを揺さぶられることもあると思うので、情報源が不明のものは距離を置くことをおすすめします。
また、小学校受験はなぜか変な噂が広まりがちです。たとえば、「洋服はオーダーしなければならない」「男の子は刈り上げにしてはいけない」「目力強い親は眉毛を書かずに面接にいくほうがよい」といったもの。どれも、冷静に考えると、そんなわけはないと断言できるものばかりなのに、なぜか受験が近づくと不安になってしまうのです。
根拠のはっきりしない情報に振り回される必要はありません。大切なのは、噂に一喜一憂することではなく、学校そのものと真摯に向き合う姿勢だと思います。

学校説明会や見学会などで、保護者は学校のどこを見るべきでしょうか。

家庭の学校選びの基準によっても異なります。各家庭で重視する内容、たとえば体験学習を重視するのであれば、それらがどのように行われるのか、などをしっかり確認するとよいと思います。
学校を訪ねると、子どもの作品などは一切貼り出していない学校もあれば、作品をたくさん展示している学校、お神輿や化石を飾っている学校もあります。学校のカラーによって、見せているものは大きく異なります。校内に散りばめられたヒントをよく観察し、ご家庭の方針に合っているかを見極めてください。
公開授業があれば、ぜひ参加をおすすめします。子どもたちの発言や、それに対する周囲の反応、先生と児童の関係性まで見て取れる、貴重な機会です。

また、私は子どもの様子を話す時の先生方の表情に注目します。ここに校風が良く表れます。生徒達との楽しいエピソードや成長を感じた様子などを、本当にうれしそうに語る先生がいる学校は、生徒との距離も近く個性を大事にする学校が多いと感じます。

説明会・面接・考査当日に大切にしたい親の姿勢

面接や学校行事などで、学校側は保護者のどのような部分を見ているのでしょうか。

学校行事の場で、学校側がご家庭を細かくチェックしているケースは、それほど多くありません。学校行事や説明会は、ご家庭に学校を知っていただくための機会だからです。
一方で、面接や願書では、「本当に入学を希望しているご家庭かどうか」が重視されます。私立小学校は教育方針が明確な学校も多く、学校をよく知らないまま入学して、後々トラブルになってしまうこともあるからです。また、面接では第一志望とおっしゃっていても、複数校に合格すると辞退される、というケースも少なくありません。
だからこそ、本当に志望度が高いのかを学校は確認しています。志望度の高さは、その学校の教育理念や建学の精神をどれだけ理解し、共感しているかが問われます。それぞれの学校の理念や教育プログラムをきちんと理解したうえで受験することが、何より重要です。

面接当日に、保護者が特に意識しておくべきことはありますか。

子どもの教育に、親がどう関わっているか。ここも大切に見られる部分です。
面接で親子課題を設けている学校もあります。そこでは親子の関係性が見られますから、日頃からの信頼関係の積み重ねが欠かせません。
たとえば、子どもは素直ですから、お母さまとは自然に会話するのに、お父さまとはほとんど目を合わせない、といった様子からも、家庭内の関係性は自然と見えてきます。つまり、当日だけ意識しても遅いのです。普段の生活の中で意識しておくことこそが、何より重要だと思います。

装いを整えることの意味

身なりについての質問や悩みは、どのような内容が多いですか。

「スーツはオーダーメイドと既製服、どちらが良いのでしょうか」といったご質問をよくいただきます。
既製服で充分です。オーダーメイドか既製服かではなく、装いはあくまでオーソドックスに、華美にならず、清楚に、品よく、節度を保つことが最も大切です。
スーツがおしゃれだから、高価だから合格する、ということはありません。スタイルで個性を主張する、のではなく、まずはTPOをわきまえた装いを優先していただきたいですね。

NAVY LOGUEは、変わる価値観と、変わらない“きちんと感”の両方に寄り添うネイビーウェアとして提案しています。受験服選びにおいて、「きちんと感」と「自分らしさ」のバランスはどのように考えるべきでしょうか。

面接では、シンプルでオーソドックスな装いを心がけてください。
説明会や学校行事では、ネイビーを基調とした装いが中心になります。その中で、上品さや清潔感を保ちながら自分らしさを表現するのは、素敵なことだと思います。

NAVY LOGUEのサンプルをご覧いただいた率直なご感想をお聞かせください。

私自身、普段の仕事でもパンツスタイルが多いので、そのまま学校にも着ていける品を併せ持っているアイテムは、とても助かります。学校生活ではネイビーの装いが中心になりますが、受験スーツほどかしこまる必要のない場面も多くあります。そうしたシーンに、ちょうど良いブランドだと思います。

インタビューに答える大原英子様

受験後に続く学校生活

学校生活の中で、保護者はどのような装いをされているのでしょうか。

学校によります。保護者会ではネイビーのジャケット必須で、その他の色だと浮いてしまう、という学校もあれば、上品で清楚な装いであればネイビーではなくても大丈夫という学校もあります。パンツスタイルも一般的です。
送迎や保護者会、学校行事など、学校へ足を運ぶ際は、ジャケットを着ていなくても、ネイビーを基調とした装いが最も多いですね。入学後の校風を見ながら、品格を保ちつつ、自分らしく着られる装いを両立させる保護者が、増えている印象です。

お受験を考えているご家庭に伝えたいこと

受験を経験するからこそ、得られるものは何でしょうか。

共働きのご家庭が増え、毎日が慌ただしく過ぎていきます。子どもに目を向けて丁寧に暮らそうと思っても、なかなか難しいのが現実ではないでしょうか。
小学校受験の良さは、幼児期に、豊かな感性を育む体験を積み重ねられることにあります。
味噌づくりをしたり、季節を感じる自然体験をしたり——ご家庭で紡いだ思い出は、一生の宝物になります。
経験の中でさまざまなことを学んでおけば、興味の土台ができ、その先の可能性が大きく広がります。
そして受験は、親自身の成長の機会でもあります。
子どもが自分でやるべきことに、あえて口を出さず、言葉を飲み込む。その繰り返しが忍耐力を育て、やがてマネジメント力にも通じていきます。
ただ、「親だけの受験」になってはいけません。万が一、思うような結果にならなかったとき、子どもを責めてしまい、次につながらない——これが、最も避けたいことです。
受験はゴールではなく、その先へ続く人生の通過点です。
どうか、頑張った過程そのものを認めてあげてください。
親子で一緒に頑張った経験は、親にとっても子どもにとっても、かけがえのない財産になります。

インタビューに答える大原英子様

( プロフィール )

コノユメSCHOOL代表 大原英子様

小学校受験専門幼児教室 コノユメSCHOOL 代表

大原 英子

東京大学卒業後、大手通信会社に勤務。その後、自身の母親が30年以上にわたり主宰する受験絵画教室のメソッドをもとに、2011年に小学校受験専門の幼児教室を設立。

2022年には、教育の新しいかたちを提案すべく株式会社コノユメを設立。同年、オンラインと対面のハイブリッド型幼児教室「コノユメSCHOOL」を開校し、幼児教育業界で他社に先駆けてオンライン教材を導入。日本全国さらに海外在住の家庭からも高い支持を集め、多くの家庭に選ばれ続けている。

これまでに、慶應義塾幼稚舎・慶應義塾横浜初等部・早稲田実業学校初等部・雙葉小学校・白百合学園小学校・聖心女子学院初等科、暁星小学校、東京農業大学稲花小学校など、難関名門校への合格者を多数輩出。

子どもが一人で学習できるオンライン教材や、親向けのコーチング・セミナーを通じて、「子どもと保護者をトータルに支える受験指導スタイル」を確立。その革新的な取り組みは、教育メディアやSNSでもたびたび取り上げられている。
AERA、東洋経済、with classなど連載多数。

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